健やかな庭、自然とつながる庭へ
この考え方を現代の暮らしに合うように進めていったのが、REWILDING(リワイルディング・再自然化)というスタイルです。近江綴園は、健やかな雑木の庭を増やしていき、持続可能な庭、自然との結びつきのある場所をつくりたいと考えています。
自然の中から選んだものは、奥行きとそのまわりの空気感を感じさせます。正面からだけでなく、四方から見ても成り立つ庭をつくるには、このように存在感のある素材が重要なのです。よい素材が集まると、そこにはおのずと動きが生まれます。枝から枝へ、飛び石から飛び石へ。見ていて飽きない庭とは、視線がいつまでも心地よく巡り続ける庭であり、動きの中に物語を感じる庭です。
庭で物語を綴るということ
なぜ近江綴園が、「綴」という字を使っているかの理由はここにあります。物語を綴るように庭をつくり、育てるのが近江綴園の仕事だからです。空間と時間を感じる庭とは、「物語を育む場所」に他なりません。
近江綴園は、伝統的な造形だけを提案するわけではありません。何よりも、建物と現代の暮らしに調和する庭がいちばんだと考えています。モダンな建物には、山採りの木の個性的な姿が映えることも知っています。
心の中の庭をかたちに
庭づくりは、お客様のお話をじっくりとお聞きすることから始まります。その庭で何がしたいか、どう感じたいか、誰と過ごしたいか、そんなお話がとても参考になります。庭というかたちで、お客様の心の中にある幸せの風景をつくりだすのが仕事です。そのために、庭に必要な木や石の、あるべき姿を見定めて選んでいます。できたばかりの庭でも、木々や草がしっくりとなじんだ印象があります。
庭ができた後もお付き合いをさせていただくのを、うれしく思っています。近江綴園は、やさしく、細かく、しかも要を得た剪定で、ゆっくりと木を育てます。年数を経た庭でもあまり印象が変わらないのは、剪定の技術によるものです。気候が変わってきた現代、環境から庭を考えることがますます必要になってきました。場所に合った植栽を選び、庭は動いているものとして付き合っています。
近江綴園は、庭の未来を見すえています。その心休まる空間をご体験ください。